直接仮設工事
工事に直接的な関係はないが、工事の完了まで共通して使用される共通仮設物に対し、
各工事の種目ごとに必要に応じて使用される仮設物や、その仮設物の設置や撤去に伴う作業のことを直接仮設工事といいます。
躯体工事や仕上げ工事のように直接建物の構造部分や仕上げに関与する工事ではありませんが、
直接仮設の計画の良し悪しが、一つ一つの工程が安全に円滑に進むかどうかに関わってくるため、結果として工事の質に影響を及ぼすことも少なくありません。
共通仮設費の場合は積算において『共通仮設費』という項目がありますが、直接仮設工事に関しては直接仮設費という項目があるわけではなく、
直接工事費の中で工種ごとに仮設にかかる費用が計上される形になります。
直接仮設工事の内容
直接仮設、最初の工事は縄張りです。そして、水盛り・遣り方、墨出しにより建物の位置や高さ・方向・水平等を決めます。
費用は建築面積に単価を掛けて算定します。
原寸作業も直接仮設に含まれる作業の一つで、設計図を元に実物大の原寸図を書き、その原寸図から型板を作って検討の材料とします。
原寸型板は、仕口や継手部分など図面では表現できない複雑な箇所があった場合に、必要に応じて作成されます。
次に足場です。
足場には単管足場、枠組足場、吊り足場、移動式足場と様々な種類がありますが、すべて直接仮設工事に含まれます。
外部足場と屋根足場は架面積に単価を掛けて、内部足場は内部の延べ面積に単価を掛けて費用を算定します。
足場の昇降のために設置する登り桟橋や、足場に張られる工事用シート、乗入れ・荷受け等の作業構台、ゴンドラも直接仮設工事に含まれます。
建て方で使用される移動式クレーンやロングスパンエレベーター等の揚重機は共通仮設に分類されることもありますが、
費用としては共通仮設の比率には含まれないため、ここでは直接仮設に分類します。
その他、養生費や残材処分費、清掃費も直接仮設工事に含まれており、それぞれ延べ床面積に単価を掛けて算定します。