タワークレーンを使用したり、車両が侵入できない現場での荷揚げは、足場を下地にしたレールトロリーを使用するトロリーレールシステムが最適です。
この記事では足場で使うトロリーレールシステムについて解説します。
足場の「トロリーレールシステム」とは
「トロリーレールシステム」は単管足場や枠組足場に、レールとトロリーを設置して外壁の施工を効率化させる仮設資材です。
トロリーレールシステムを利用すると、ALCや外壁パネルの施工やガラスカーテンウォールの取り付けを効率化できます。
荷揚げも任意の場所からできるようになるだけでなく、水平方向への移動も簡単にできます。
一度足場にトロリーレールシステムを設置すれば、独立した揚重システムで他の工程とは関係なく自由な位置での揚重作業が可能になります。
足場のトロリーレールシステムが向いている施工現場
通常の揚重作業では、建築資材や部材をクレーンやフォークリフトなどの重機を使って指定した場所へ運搬・配置します。
しかし、スペースが狭かったり、内部での移動が難しい場合にトロリークレーンシステムを活用することで解決することができます。
狭い場所
レッカーやタワークレーンが使えない、ブームが届かない、車両が侵入できない、ピロティに面しているなど狭い場所で活用することが可能です。
内部から施工ができない現場
室内クレーンをエレベーターで移動できない場合や、室内にアウトリガーを展開する空間がない場合、ベビーホイストやチェーンブロックなどを梁に取り付けることができない場合は、トロリーレールシステムが活躍します。
足場のトロリーレールシステムの注意点
レールの定格荷重は、基本的にブラケットクランプ取り付けピッチ@1800mmにおいておよそ230kgとなります。
ブラケットクランプをこれよりも短いピッチで取り付けた場合でも約230kgとします。
揚重機の表示荷重値がレールシステムの定格荷重値を上回っている場合でも、レールシステムの定格荷重値に従い、作業を行います。
また、部材の締め付けは動力工具ではなく、手動工具で行います。
トロリーレールシステムで作業の効率化が実現できる
トロリーレールシステムは足場に設置して外壁工事や揚重作業を効率化させるものです。
足場に設置するだけで狭い場所でも活用でき、効率的な荷揚げができるため、建設工事の工程をスムーズにします。
また、トロリー本体も小型なため、レンタルする際の配送料も安価で済み、低コストで足場に導入することが可能です。