防水工事や塗装工事など、さまざまな現場で必要になるのが「足場工事」です。
しかし、作業現場によって足場の種類が違っていることを一般の方々はご存じでしたか?
今回は、その足場の一種であり、私達一般住宅で最も利用されている「単管足場」について詳しくご紹介したいと思います。
屋根・外壁工事などを検討する際の参考になれば幸いです。
単管足場について
足場には様々な種類があります。
それは作業する現場の状況によって、この現場ならこの足場!というように設置基準が決まっています。
単管足場は鋼管でつくられた「単管パイプ」に、「クランプ」という基本部材を組み合わせるタイプの足場です。
狭い現場でも足場を組むことができるのが特徴で、敷地が狭い戸建てで用いられる種類です。
隣接する建物と距離が近い場合には、幅広い足場を組み立てるほどのスペースの確保が難しいので、最も適している種類の単管足場を組み立てます。
足場用語
素人には分かりづらい足場用語の解説です。
単管パイプは作業現場によって異なる長さが沢山用意できます。
足場で使う単管パイプには端から7cmの所にピンが付いたもの、あるいはくぼませたものがあります。
このピンまたはくぼみがあることで、直線ジョイントで連結させることができます。
クランプは単管パイプをつなぐ金具です。主に、直交クランプと自在クランプを使い分けます。
一側足場と二側足場の違い
単管足場と一口にいっても、さらに一側足場と二側足場の2種類があります。
一側足場は、敷地が狭い現場で組まれることが多い足場です。縦の支柱が1本、横方向から2本の単管パイプで挟むように組んでいきます。
二側足場は、一側足場よりも作業床がしっかり確保できる足場です。一側足場と違い、縦の支柱が内と外側に2本あります。
もっと簡単に説明するなら、作業員の周りを全囲みできるのが二足足場、半囲みするのが一側足場、といったイメージです。
また、一側足場でも二側足場でも足場が倒壊したり、強風に煽られて変形したりしないように「壁つなぎ」を設けます。これでグラつかず、固定ができます。
単管足場をおすすめする理由
戸建て住宅の外壁の塗り替えでは、抱き合わせ工法となる単管足場がおすすめです。
その理由は、設置の手間が少ないこと、狭い場所にも対応できること、コストが安いことが挙げられます。
高所作業となるビル設計などでは、より安全性を確保できる「ビケ足場」という種類の足場組みがあります。
しかし、一般住宅だと十分なスペースがなく、組み立てに必要な部材の保管に場所をとってしまいます。
そのため、壁つなぎでしっかり安定させられる抱き合わせ工法の単管足場をおすすめします。
現場でも一般的に組まれるため、作業員も慣れています。