足場は建設現場にはなくてはならないものです。
しかし、高所作用のため、事故や災害があとを絶ちません。
そこで、足場の組立てや解体などの作業時に安全のために注意するべき点や、足場作業に必要な資格について解説します。
足場の組立て・解体等の作業で注意するべきポイント
安全点検を徹底する
足場を安全に使用するためには、足場の点検を法令に基づいて徹底することが大切です。
労働安全衛生規則では、足場事業者、注文者共に次のタイミングで点検・補修を行うよう義務付けています。
事業者…作業開始前、悪天候後、足場の組立て・一部解体・変更後
注文者…悪天候後、足場の組立て・一部解体・変更後
事業者、注文者は点検、補修結果について記録し、保存することが義務付けられています。
安全措置を講じる
建設業で発生する死亡労働災害のうち約45%は墜落、転落によるものです。
このような建設現場での事故を防ぐため、足場の組立て時には以下のような点に注意して安全措置を講じます。
①上さんを設置する
②手すりや中さん、幅木を設置する
③床材は建地と隙間のないように設置する
また、足場の組立て・解体時に安全を確保するため、手すり先行工法を採用することも求められています。
足場の組立て・解体等には特別教育の資格が必要
足場の組立て、解体、変更等の作業に従事する人は「足場の組立て等作業従事者特別教育」を修了している必要があります。
吊り足場と張り出し足場を除き、足場の高さに規定がないため、すべての高さの足場を組む人が対象となります。
ただし、地上や堅固な床上での足場材の運搬や整理などの補助作業は対象業務には含まれないため、特別教育を修了していなくても携わることができます。
足場の特別教育は全6時間、講習内容は以下の通りです。
①足場及び作業の方法に関する知識…3時間
②工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識…30分
③労働災害の防止に関する知識…1時間30分
④関係法令…1時間
すべての講義を受講後、修了証を交付されると資格を取得できます。
受講資格はなく、18歳未満でも受講できますが、足場の組立て・解体など実務に付くことはできませんので注意が必要です。
足場に関わるスタッフ全員が安全意識を持つ
足場作業は高所作業のため、常に危険と隣り合わせです。
そのため、足場作業に関わるスタッフ全員が注意を払って作業をする必要があります。
法令で定められたルールを遵守するだけでなく、職場でコミュニケーションをしっかりと取り、小さなことでも全員で共有することが大切です。