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仮設計画の重要性

前回からの続きになります。
 

その他、仮設に含まれる項目

ここまでで説明した項目以外にも、仮設工事に含まれる作業があります。
例えば、現場の養生です。
建設中の建物全体を工事用シートで覆ったり、現場に搬入された資材をブルーシートで覆うことがあります。
このように養生を行うことで飛散等の災害を防止するだけでなく、工事中の建築物の汚れや損壊を防いだり、
自然災害から建物を守ったり、工事中に発生する埃やゴミ・塗料の飛散による近隣トラブルを防ぐ役割も果たしてくれます。
そして、産業廃棄物の分別。
資源の再使用・再利用や副産物の発生抑制等の問題は、今や社会全体の問題として取り組みが進んでいます。
工事現場内に分別ヤードを設けて廃材を分別収集することも、仮設計画の中で検討します。
この時、建設リサイクル法で定められた廃棄物以外の分別も、施工者の自主努力によって行うとよいでしょう。
準備工事の後、掘削工事や地下躯体工事が必要な場合において必要となる山留めも仮設物にあたりますが、
山留め工事でしか使用されないため共通仮設でも直接仮設でもない『工事別仮設』に分類されます。
 

仮設計画の重要性

仮設の設備や施設は工事が終わればすべて撤去されて、後には何も残りません。建設工事においては脇役的な存在です。
しかし、実際の所、建設工事を進めていく上で、仮設工事は大変重要な役割を担っています。
仮設計画を行う上では、施工の手順をきちんと把握できているのはもちろんのこと、
法令関係を始めとする様々な知識が必要で、施工管理技術者としての経験も問われます。
仮設計画におけるちょっとしたミスや手違いで工程に大きな狂いが生じてしまったり、
労働災害が多発するという事態にも陥りかねないのです。
それだけ重要な職務ですから、中には計画を専門とした社員を置いている建設会社もありますが、
多くの場合はその現場の担当者が仮設計画を行うことになります。
現場監督の仕事は基本的に、設計図書を元に施工図を作成し、作業員に指示を与え、予算や工程を管理しながら、
建築士の監理下で図面通りに建物を完成させることです。
それだけに、自身の知識と経験に基づいて作業効率や安全対策を考慮し、
工夫を凝らしながら行うことのできる仮設計画は、現場監督にとって責任が重い反面、とてもやりがいのある職務であると言えるでしょう。
 

自分の計画通りに仮設物が構築され、機械類が配置されていく様子を見るのも楽しいものですが、
その後、何の災害もトラブルもなく円滑に工事が進んで建物が出来上がり、安全ネットや足場が外れ、仮囲いが撤去された時の達成感はひとしおです。
仮設計画の面白さが理解できるようになったら、現場監督としても一人前と言えるのかもしれません。